髪の描き方は大体固まってきました。
今回も CLIPSTUDIOPAINTPro のベクターで形状を掴み、ラスターの質感を描き加えていく作業です。
↓CLIPSTUDIOPAINT のベクターで髪を描く
http://sawanoya.blogspot.jp/2012/10/clipstudiopaint.html
髪には金属以上に特殊な陰影が現れますが、これまでの記事で触れたものと考え方は変わりません。
彩色レイヤー群に陰影レイヤー群を加算(発光)で重ねるのはグリザイユ技法の記事で触れたとおり。
↓コンピュータ上のグリザイユ技法
http://sawanoya.blogspot.jp/2012/06/blog-post_19.html
黒髪の場合は彩色レイヤーが殆ど黒ですから、明るくするレイヤーしかありません。
左が彩色のみ、右が陰影のみのレイヤー群をまとめたもの。中央がその合成です。
前回の記事で触れた金属表現と同じ考え方で、太陽が反射する明るい部分に地平線下の反射を模した暖かい色を重ねます。
↓金属の質感表現
http://sawanoya.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html
しつこいようですが、そこに太陽が見えているかどうかは大した問題じゃありません。
髪の場合面倒なのは「異方性反射」と呼ばれる現象です。
ヘアライン仕上げのアルミや表面に細かい傷のある金属器などに現れる特殊な鏡面反射で、傷の方向とは垂直にハイライトが伸びていくというもの。
いわゆる「天使の輪」を髪に描き出す原因です。
絵にするのが難しい鏡面反射がさらに面倒になったものですから、もうマジメに再現しようなんて考えなくていいんじゃないでしょか。
理論よりそれらしさを優先して、髪の方向と垂直にリング状の明るい部分を描きこんでいきます。
あとは回数をこなし、経験値を積めば段々それらしくなっていくと信じるしかありません。
そんなわけで絵のほうも大体出来上がってきましたョ。