CLIP STUDIO PAINT には“ベタ塗りレイヤー”という機能がありますが、これって“単色ラスターレイヤー”とどう違うんでしょか。
ちょっと確認しておきたくて検証してみました。
今回は比較するだけなので私の環境はあまり関係がありませんが、主要な数字だけは書いておいてみます。
Windows7 64bit メモリ16GB
CLIPSTUDIOPAINT ver.1.0.0
※厳密に数字が関係する様な難しい検証はしません。ゆるーく御覧ください。
結論から書いちゃいますが、単色ラスターレイヤーとベタ塗りレイヤーの最も大きな違いは、アルファチャンネルの数です。
どちらもアルファチャンネルを持っていますが持つ事の出来る数は異なります。
ベタ塗りレイヤーがレイヤーマスク1枚のみしか使えないのに対し、単色ラスターレイヤーはレイヤー自体が持つ不透明度と、レイヤーマスクの2枚。
いざ一部をマスクで消そうなんて時に重ねて使うことが出来るかどうかが大きな違いになっちゃうでしょう。
じゃぁ単純に単色ラスターレイヤーの方がいいかというと、そうでもありません。
単色ラスターレイヤーが最低でも1枚、アルファチャンネルを持たなければならないのに対し、ベタ塗りレイヤーは全てのアルファチャンネルを捨てちゃう事が可能です。
最小の使い方をした時、メモリを一番節約できるのがベタ塗りレイヤーだといえそうです。
どれくらい違うんでしょか。ちょと調べてみました。
各種類のレイヤーについて1920x1200の新規キャンバスを作成し、それぞれ500枚+背景1枚のレイヤーを作成します。
各々のメモリ情報を見てどれくらいのメモリを食っているか、詳細は分かりませんが大雑把に比較しちゃおうというわけです。
ラスターレイヤー(カラー)
これは通常(カラー)のラスターレイヤーを500枚重ねたものです。
完全に透明だと軽くなりますが、透明なレイヤーでは比較になりませんから塗りつぶしてあります。
システム34% アプリケーション54%
メモリに優しくありませんネ。
ただ、なぜかベタ塗りレイヤーよりも動作は軽くなります。内部で“生”のまま情報が維持されているからかもしれません。
ラスターレイヤー(単色)
こちらが単色ラスターレイヤーです。
システム20% アプリケーション18%
単純に計算するとメモリ上の大きさはカラーラスターレイヤーの1/4になるはずです。起動時のアプリケーションの使用率が7%なので大体計算は合ってます。
ベタ塗りレイヤー
そしてこれがベタ塗りレイヤー
システム16% アプリケーション9%
起動時7%から考えると500枚でわずか2%増えているだけです。
まとめにいってみましょう。
現バージョン(ver.1.0.0)ではベタ塗りレイヤーは使い勝手が悪い(スポイトが効かない等)ため、レイヤーマスク付きでベタ塗りレイヤーを使うくらいなら単色ラスターレイヤーがオススメです。
レイヤーマスクが必要ない様な使い方をする場合、例えば画面全体に薄い白をスクリーンでかける、なんて場合にはベタ塗りレイヤーが軽くて良さそうです。特に印刷レベルの高解像度になってくると、その差は軽視できないものになってくるでしょう。
以上、詳しい方から見ると大雑把にすぎる検証ですが、こんな感じで時々気になったことをゆる~く考えていきたいと思います。