2012年6月30日土曜日

CLIP STUDIO PAINT のパスツールで選択範囲を作る

現バージョンの CLIP STUDIO PAINT (1.0.2先行プレビュー版)では、ベクターで塗りつぶす仕様が正式にサポートされていません。

理由は開発の方に聞かなきゃわかりませんが、ベクター自体が非常に高性能であるため、仕様的に塗りつぶしとの整合をとるのが難しいんじゃないかと推測しています。


そんなわけでもう何度か要望掲示板の方で挙げていますが、ベクターで選択範囲を作る方法、まとめておこうと思います。

CLIP STUDIO PAINT には投げなわツールで塗りつぶすのとよく似た結果を返す機能、「フキダシ」があります。

なんだ出来るじゃない・・・と思っちゃいますが、ベクターと違ってフキダシには線の太さも、濃さも、先端形状もありません。

これなら塗りつぶしても整合がとれるんでしょうネ。





とっても応急っぽいですが、現状ではこれを使って選択範囲を作ります。
フキダシツールはテキストツール群の中にある他、素材からも呼び出せます。

Photoshop のパスツールに似た機能に慣れている方は図の赤いマル部分、3次ベジェを選択してください。SAIに慣れているならスプラインで。
縁の色、塗りの色をそれぞれ揃え、ブラシサイズは 2.0 に。←※重要です。

おおまかに作ったらあとは制御点ツールで自由に動かすことが出来ます。カーソルを重ねないと制御点が表示されない仕様なので Photoshop に慣れている方には使いにくいかもしれませんネ。
下地を確認しながら編集する場合は適宜不透明度を下げて作業します。

ちなみに、バージョン1.0.0 (Mac版1.0.1)以前ではこの部分にバグがあるため、1.0.2 先行プレビュー版以降を使用してください。
選択範囲はCTRLキーを押しながら赤マル部分、レイヤーパレットのサムネイルをクリックすると簡単に作成できます。

フキダシの状態で維持しておけば後から修正も簡単。

ただし、フキダシですからいろいろ不便な点もあります。
まず変形の類が殆ど効きません。唯一レイヤー移動を受け付けますが、キャラクター全体を移動させようなんて時にその場に残るので注意してください。

また切り抜きの仕様もないので、ドーナツ状の選択範囲を作るのは工夫が必要です。
レイヤーをもう一枚用意し、切り抜き部分だけのフキダシを用意してください。
CTRLキー+サムネイルクリックで選択範囲を作成した後、切り抜き部分のフキダシがあるレイヤーを選択してALT+CTRL+サムネイルクリックで選択範囲を切り抜くことが出来ます。


いずれにしても応急な感じが否めないフキダシ代用の塗りつぶし。
早急な投げなわ塗りツールのベクター対応を期待したいところです。


でも難しそうだなぁ・・・